IPアドレスのクラスとは?初心者でもわかるネットワークアドレスの分類と仕組み
生徒
「IPアドレスってたくさんありますけど、どうやって分けてるんですか?」
先生
「いい質問ですね。IPアドレスには『クラス』という分類があって、それによって使える範囲や台数が変わってくるんですよ。」
生徒
「クラス?それってどういう種類があるんですか?」
先生
「それでは、IPアドレスのクラスについて基本からしっかり説明していきましょう。」
1. IPアドレスのクラスとは?
IPアドレス(読み方:アイピーアドレス)は、ネットワーク上で機器を識別するための番号です。
初期のIPアドレスの仕組みでは、ネットワークの規模に応じて「クラスA」「クラスB」「クラスC」などの分類が使われていました。
2. なぜIPアドレスにクラスがあるのか
インターネットが発展し始めたころは、大企業や小規模なネットワークなど、使う人数や規模がバラバラでした。
そのため、それぞれのニーズに応じてIPアドレスを効率よく分けられるように、IPアドレスをクラスに分ける方式が考えられたのです。
3. クラスAのIPアドレス
クラスA(読み方:クラスエー)のIPアドレスは、大規模ネットワーク向けに設計されています。
- 先頭のビット:0
- 範囲:0.0.0.0 ~ 127.255.255.255
- ネットワークアドレス部:最初の1つ
- ホストアドレス部:残りの3つ
クラスAでは約1677万台のホスト(機器)を1つのネットワークで管理できます。
代表的なプライベートIPアドレスは「10.0.0.0 ~ 10.255.255.255」です。
4. クラスBのIPアドレス
クラスB(読み方:クラスビー)のIPアドレスは、中規模なネットワーク向けです。
- 先頭のビット:10
- 範囲:128.0.0.0 ~ 191.255.255.255
- ネットワークアドレス部:最初の2つ
- ホストアドレス部:残りの2つ
クラスBでは約6万台のホストを1つのネットワークで使えます。
プライベートIPアドレスの範囲は「172.16.0.0 ~ 172.31.255.255」です。
5. クラスCのIPアドレス
クラスC(読み方:クラスシー)のIPアドレスは、小規模ネットワークに向いています。
- 先頭のビット:110
- 範囲:192.0.0.0 ~ 223.255.255.255
- ネットワークアドレス部:最初の3つ
- ホストアドレス部:最後の1つ
クラスCでは、1つのネットワークに最大254台の機器を接続できます。
一般家庭や小さなオフィスでよく使われている「192.168.0.0 ~ 192.168.255.255」はこのクラスです。
6. クラスDとクラスEのIPアドレス
クラスDとクラスEのIPアドレスも存在しますが、少し特殊な用途です。
クラスD(読み方:クラスディー)はマルチキャスト(読み方:マルチキャスト)と呼ばれる技術に使われます。範囲は「224.0.0.0 ~ 239.255.255.255」です。
クラスE(読み方:クラスイー)は研究用や将来の拡張のために予約されており、通常は使われません。範囲は「240.0.0.0 ~ 255.255.255.255」です。
7. IPアドレスのクラスは今も使われている?
現在では、IPアドレスのクラス分けはあまり使われていません。
代わりに「CIDR(読み方:シダー)」という方式が主流です。CIDRでは柔軟にアドレスを分けられるため、IPアドレスの無駄を減らせます。
しかし、IPアドレスのクラスを理解しておくと、基本をしっかり押さえられるのでネットワーク学習にはとても役立ちます。
8. クラスごとの用途まとめ
以下にIPアドレスのクラスとその用途を簡単にまとめておきます。
- クラスA:大企業向け、大規模ネットワーク
- クラスB:中規模ネットワーク、学校や支社など
- クラスC:家庭や小規模オフィス
- クラスD:マルチキャスト通信
- クラスE:実験用・予約用
クラスA・B・Cの違いをしっかり理解すれば、IPアドレスの基礎がぐっと分かりやすくなります。
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まとめ
ここまで、IPアドレスのクラス分けについて詳しく解説してきました。ネットワークの基礎知識として欠かせないこの概念は、現代のインターネット社会を支える技術の原点とも言えるものです。私たちが普段何気なく利用しているWi-Fiやスマートフォンの通信も、こうしたアドレス設計の工夫によって成り立っています。
IPアドレスのクラスフルアドレス(Classful Addressing)の重要性
「IPアドレスのクラス」という考え方は、かつて「クラスフルアドレス」と呼ばれていました。現在、主流となっているCIDR(クラスレスアドレッシング)に移行する前は、このクラス分けがIPアドレス割り当ての絶対的な基準でした。クラスA、クラスB、クラスCという分類を理解することは、ネットワークエンジニアやIT担当者を目指す方にとって、単なる歴史の学習ではなく、「ネットワークアドレス」と「ホストアドレス」の境界線がどのように決められているかという根本的なロジックを学ぶことに繋がります。
特に、クラスC(192.168.x.x)が家庭内LANや小規模オフィスで多用されている理由は、その扱いやすさと254台という「ちょうど良い」最大接続数にあります。もし、すべてのネットワークがクラスAのような膨大なアドレスを持っていたら、管理が非常に煩雑になり、世界中のIPアドレスは一瞬で枯渇してしまったことでしょう。
クラスごとの特徴とネットワーク設計のポイント
ネットワークを設計する際には、その規模に最適なクラスを選択することが求められていました。ここで改めて、クラスごとの特性を深掘りしてみましょう。
| クラス | 第1オクテットの範囲 | ネットワーク部 | 最大ホスト数 | 主な利用シーン |
|---|---|---|---|---|
| クラスA | 1 ~ 126 | 8ビット | 約1,677万台 | 巨大企業、政府機関、ISP |
| クラスB | 128 ~ 191 | 16ビット | 65,534台 | 大学、大企業、中規模ネットワーク |
| クラスC | 192 ~ 223 | 24ビット | 254台 | 家庭、小規模店舗、研究室 |
注意点として、127から始まるアドレス(127.0.0.1など)は「ループバックアドレス」と呼ばれ、自分自身を指す特別な用途のためにクラスAの範囲から除外されています。こうした例外規定を知ることも、トラブルシューティングの際には非常に役立ちます。
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの使い分け
クラスを学ぶ上で避けて通れないのが、プライベートIPアドレスの存在です。インターネットに直接接続するための「グローバルIPアドレス」は世界で唯一無二である必要がありますが、家庭内や社内だけで使う「プライベートIPアドレス」は、各組織内で自由に使うことができます。
- クラスAのプライベート範囲: 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
- クラスBのプライベート範囲: 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
- クラスCのプライベート範囲: 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
例えば、自宅のルーターの設定画面を開くと、高確率で「192.168.1.1」や「192.168.0.1」といったアドレスが表示されます。これはクラスCのプライベートアドレスを利用しているからです。こうした身近な事例と紐付けることで、難しい専門用語もより親しみやすいものに変わるはずです。
これからのネットワーク学習に向けて
現在はIPv4アドレスの枯渇問題により、IPv6への移行が進んでいますが、それでもなおIPv4のクラス概念はネットワークの基礎知識として君臨し続けています。サブネットマスクの計算や、ルーターの設定、セキュリティ構築の現場では、常に「このIPアドレスはどの範囲に属しているか」という視点が必要になります。
本記事を通じて、IPアドレスの分類(クラス)の仕組みが少しでもクリアになったのであれば幸いです。ネットワークの世界は奥が深いですが、まずはこの「住所の分け方」をマスターすることで、さらに高度なルーティングやスイッチングの理解へとステップアップしていけるでしょう。
生徒
「先生、詳しく教えていただきありがとうございました!IPアドレスにクラスがある理由がようやくわかりました。規模に合わせて効率よく分けるための工夫だったんですね。」
先生
「その通りです。もしクラス分けがなかったら、どんな小さなネットワークにも大量のアドレスを割り当てなければならず、あっという間にアドレスが足りなくなっていたでしょう。特にクラスCは、私たちの生活の中で一番身近な存在なんですよ。」
生徒
「確かに!家のWi-Fiを確認したら『192.168...』から始まっていました。これがクラスCのプライベートIPアドレスだったんですね。でも、クラスAの約1677万台っていうのは想像もつかない数です。」
先生
「そうですね。クラスAは国レベルの機関や世界規模のプロバイダーなどで使われるイメージです。ちなみに、先頭のビットを見るだけでどのクラスか判別できるというルールもありましたね。覚えていますか?」
生徒
「はい!クラスAは先頭が『0』、クラスBは『10』、クラスCは『110』でしたね。2進数で考えると規則正しくて面白いです。でも先生、今はCIDR(シダー)という方式が主流だともおっしゃっていましたよね?」
先生
「よく覚えていましたね。クラスフルアドレスだと、例えばホストが300台必要な場合、254台までのクラスCでは足りず、6万台以上使えるクラスBを割り当てる必要がありました。これだと数万個のアドレスが無駄になってしまいますよね。それを解決するために、境界線を自由に引けるCIDRが登場したんです。」
生徒
「なるほど。クラス分けは基礎として大切だけど、今はより柔軟なやり方に進化しているんですね。ところで、クラスDのマルチキャストっていうのは、テレビ放送みたいなイメージですか?」
先生
「いい視点ですね!特定の複数の相手に同時にデータを送る技術なので、動画配信やルーティング情報の交換などに使われます。普段私たちがパソコンに設定することはありませんが、ネットワークの裏側で重要な役割を果たしています。」
生徒
「クラスEの実験用っていうのも気になります。いつか新しい技術で使われる日が来るんでしょうか。」
先生
「クラスEが一般開放される可能性は低いですが、IPv4の限界を補うためにIPv6という新しい規格が登場しています。クラスの仕組みを学んだ君なら、IPv6の膨大なアドレス空間の話もスムーズに理解できるはずですよ。」
生徒
「次はIPv6についても勉強してみたいです!IPアドレスのクラスを理解したことで、ネットワークのパズルが少し解けたような気がして嬉しいです。設定ミスをしないように、サブネットマスクの勉強も頑張ります!」
先生
「その意気です。基礎が固まれば、応用も怖くありません。ネットワークの仕組みを知ることは、インターネットの『地図』を手に入れるようなものですから。これからも楽しく学んでいきましょう!」