全加算器(フルアダー)を徹底解説!初心者でも理解できる仕組みと動作原理
生徒
「先生、前に半加算器を習いましたけど、全加算器って何が違うんですか?」
先生
「いい質問ですね。全加算器(ゼンカサンキ)は、半加算器(ハンカサンキ)を発展させた回路で、三つのビットを足し算できる論理回路(ロンリカイロ)なんです。」
生徒
「三つ?二つじゃなくて?」
先生
「そう。全加算器では、二つの入力ビットに加えて、前の桁から繰り上がってきたビット(キャリーイン)も一緒に足し算します。これがコンピュータ(コンピュータ)での本格的な加算の仕組みなんです。」
1. 全加算器(フルアダー)とは?
全加算器(ゼンカサンキ)は、英語で「Full Adder(フルアダー)」と呼ばれる回路です。これは、三つの入力信号(ビット)を足し合わせて、二つの出力を出す論理回路です。出力されるのは「和(Sum)」と「桁上がり(Carry)」です。
人間の計算でいえば、「1+1+1=3」になるように、桁が繰り上がる動作を電気的に表現したものが全加算器なのです。
2. 全加算器の入力と出力
全加算器には、次の三つの入力があります。
- A:1つ目の入力ビット
- B:2つ目の入力ビット
- Carry In(キャリーイン):前の桁からの繰り上がり
そして、次の二つの出力を生成します。
- Sum(サム):足し算の結果の1の位
- Carry Out(キャリーアウト):次の桁へ繰り上がる値
このように、全加算器は「三つの入力」から「二つの出力」を作る仕組みになっています。
3. 真理値表(シンリチヒョウ)で見る全加算器の動作
それでは、全加算器がどのように動作するのかを真理値表で見てみましょう。
A | B | Carry In | Sum | Carry Out
0 | 0 | 0 | 0 | 0
0 | 0 | 1 | 1 | 0
0 | 1 | 0 | 1 | 0
0 | 1 | 1 | 0 | 1
1 | 0 | 0 | 1 | 0
1 | 0 | 1 | 0 | 1
1 | 1 | 0 | 0 | 1
1 | 1 | 1 | 1 | 1
三つの入力のうち、1が奇数個ならSumが1になり、2個以上の1があるとCarry Outが1になります。これが全加算器の基本動作です。
4. 全加算器の構成
全加算器は、二つの半加算器(ハンカサンキ)と一つの論理和回路(オア回路、OR回路)を組み合わせて作られます。
- 最初の半加算器で「A」と「B」を足して中間の和とキャリーを作る
- 次の半加算器で「中間の和」と「Carry In」を足して最終的な和(Sum)を出す
- 二つのキャリーをOR回路で合成して「Carry Out」にする
このように、半加算器を二段重ねにして桁上がりを扱えるようにしたのが全加算器です。
5. 全加算器の論理式(ロンリシキ)
全加算器の出力は次のような論理式で表されます。
Sum = A ⊕ B ⊕ Carry In
Carry Out = (A × B) + (B × Carry In) + (A × Carry In)
ここで「⊕(排他的論理和)」は、異なるときに1を出すXOR(エックスオア)回路を意味します。
つまり、和(Sum)は3つのビットの排他的論理和、桁上がり(Carry Out)は3つのAND(アンド)結果をOR(オア)でまとめたものになります。
6. 全加算器の動作を図でイメージしよう
図にすると、AとBがまず1つ目の半加算器に入り、その結果とCarry Inが2つ目の半加算器に入ります。そして、二つのCarry出力がOR回路でまとめられます。
この構成により、三つの入力を効率的に処理し、次の桁への繰り上がりを出すことができます。
7. 全加算器の例で考える
例えば、A=1、B=1、Carry In=1のとき、三つの1を足すことになります。
二進数では「1+1+1=11」となり、結果の1の位は1(Sum=1)、繰り上がりは1(Carry Out=1)となります。
このように、全加算器は人間の足し算と同じ考え方を電気信号で実現しているのです。
8. 全加算器と半加算器の違い
半加算器(ハンカサンキ)は2つのビットだけを足し算しますが、全加算器は「Carry In」を含む3つの入力を処理します。
つまり、全加算器は「繰り上がりを受け取れる半加算器」といえます。
この違いによって、全加算器は複数ビットの連続した加算に対応できるのです。
9. 全加算器の連結と多ビット加算
コンピュータ(コンピュータ)で扱う数値は8ビットや16ビットなど複数の桁を持っています。
そのため、全加算器を縦に並べて、桁ごとに繰り上がりを伝えていくことで大きな数を計算します。
この構造を「リップルキャリー加算器(リップルキャリーアダー)」と呼び、CPU(シーピーユー)の中核となる演算回路の基本です。
10. 全加算器の応用と発展
全加算器は単体では単純な回路ですが、これを組み合わせることで複雑な演算装置が作られます。
例えば、加算だけでなく減算や比較、さらには乗算などの演算装置(エンザンソウチ)にも応用されています。
また、誤り検出や論理演算など、デジタル回路(デジタルカイロ)全体の基礎にもなっています。
11. 生活の中で考える全加算器の仕組み
たとえば、算数で「1+1=2、繰り上がり1」と書くときの「繰り上がり」がまさにCarry Outに当たります。
このように、全加算器は人間の筆算を電子的に行うためのミニチュアな仕組みといえます。
12. 全加算器を理解するポイント
全加算器を覚えるコツは次の3つです。
- Sum=A ⊕ B ⊕ Carry In
- Carry Out=(A × B) + (B × Carry In) + (A × Carry In)
- 半加算器2つ+OR回路で構成される
この3つを押さえておけば、デジタル回路やCPU内部の計算の仕組みを理解する大きな助けになります。