カテゴリ: 基本情報技術者試験 更新日: 2025/11/09

2相コミットとは?分散データベースでの仕組みと制御を初心者向けに解説

2相コミット
2相コミット

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、データベースの勉強をしていたら『2相コミット』という言葉が出てきたんですが、どういう意味なんですか?」

先生

「2相コミットは、読み方は2相コミット(ニソウコミット)といって、分散データベース(ブンサンデータベース)でデータを安全に更新するための仕組みです。」

生徒

「安全に更新する仕組み?それって普通のデータベースと違うんですか?」

先生

「はい。1台だけのデータベースなら単純ですが、複数のサーバーにまたがる分散データベースでは、全ての場所で処理をそろえる必要があります。そのときに使うのが2相コミットなんです。」

生徒

「なるほど!どうやって全体をそろえるんですか?」

先生

「それでは、2相コミットの仕組みを順番に見ていきましょう。」

1. 2相コミットとは?

1. 2相コミットとは?
1. 2相コミットとは?

2相コミットとは、分散データベースにおいて、複数のデータベースが同時に行う更新処理を確実に成功させるための仕組みです。英語では「Two-Phase Commit(ツーフェーズコミット)」と呼ばれます。

分散データベースでは、複数のサーバーが協力して一つのトランザクション(処理のまとまり)を実行します。しかし、どこか1つのサーバーが失敗したら、他のサーバーも更新をやめなければ、データの整合性(セイゴウセイ)が崩れてしまいます。2相コミットは、それを防ぐために全体の動きを統一する制御方式です。

2. トランザクションとは?

2. トランザクションとは?
2. トランザクションとは?

トランザクションとは、データベースで行われる一連の処理のまとまりのことを指します。読み方はトランザクション(トランザクション)です。例えば、銀行の送金処理を考えてみましょう。

  • ① Aさんの口座から1万円を引き出す
  • ② Bさんの口座に1万円を入金する

この2つはセットで行わなければなりません。片方だけ成功してしまうと、どちらかの口座の金額が不正確になります。このような「全部成功するか、全部取り消すか」を守る仕組みがトランザクションの考え方です。

2相コミットは、このトランザクションを分散環境でも確実に実現するための技術なのです。

3. 2相コミットの基本構造

3. 2相コミットの基本構造
3. 2相コミットの基本構造

2相コミットは、大きく分けて「コーディネータ(調整役)」と「パーティシパント(参加者)」という2つの役割で構成されています。

  • コーディネータ:全体のトランザクションを管理する中心的なサーバー。
  • パーティシパント:実際にデータを更新する各データベースノード。

コーディネータが全員に「準備はできた?」と聞き、全てのパーティシパントが「OK」と答えたら、全員に「実行!」と指示を出す流れになります。この「確認」と「実行」が2つのフェーズ(段階)で行われるため、2相コミットと呼ばれます。

4. 2相コミットの流れ

4. 2相コミットの流れ
4. 2相コミットの流れ

2相コミットは、次の2つの段階(フェーズ)で構成されています。

① 準備フェーズ(Prepare Phase)

コーディネータが各パーティシパントに「更新の準備をしていい?」と問い合わせます。パーティシパントは実際に更新できるか確認し、問題がなければ「OK(Yes)」、失敗しそうなら「NO」と返します。

② コミットフェーズ(Commit Phase)

全員が「OK」と返した場合、コーディネータは「コミット(確定)」を指示します。もし1つでも「NO」があった場合は、全員に「ロールバック(取り消し)」の指示を出します。

このようにして、全てのデータベースが同じ結果になるように制御しているのが2相コミットの特徴です。

5. 2相コミットのメリット

5. 2相コミットのメリット
5. 2相コミットのメリット
  • ① データの整合性が保てる:どのサーバーでも同じ結果が得られるため、矛盾が起こりません。
  • ② 障害が起きても安全:一部のサーバーでエラーが発生しても、全体を巻き戻して整合性を保つことができます。
  • ③ 自動化が可能:人の手を介さずに全体を制御できるため、大規模なシステムにも適しています。

特に金融システムやECサイトの決済など、「データの正確さ」が最重要な分野で活用されています。

6. 2相コミットのデメリット

6. 2相コミットのデメリット
6. 2相コミットのデメリット

便利な仕組みですが、2相コミットにも注意すべき点があります。

  • ① 通信が多い:各サーバーとのやり取りが多く、ネットワーク負荷が高くなります。
  • ② 遅延が発生しやすい:全サーバーの返事を待たなければならないため、応答時間が長くなる場合があります。
  • ③ コーディネータの障害:中心のコーディネータが停止すると、全体の処理が止まってしまうリスクがあります。

このような問題を補うために、3相コミット(サンソウコミット)や非同期レプリケーション(ヒドウキレプリケーション)といった改良技術も登場しています。

7. 2相コミットの実例で理解しよう

7. 2相コミットの実例で理解しよう
7. 2相コミットの実例で理解しよう

たとえば、オンラインショッピングの注文処理を考えてみましょう。分散データベースを使って、「在庫データベース」「決済データベース」「配送データベース」が連携して動いています。

注文が確定すると、各データベースで同時に更新が行われます。しかし、もし決済サーバーでエラーが起きたら、他のサーバーでも更新をやめる必要があります。そうしないと、在庫だけ減って支払いがされないという不整合が発生します。

2相コミットでは、全ての処理が成功したときだけ確定し、どこか一つでも失敗した場合は全体を取り消します。これにより、安全で一貫性のある処理が実現できるのです。

8. コーディネータとログの関係

8. コーディネータとログの関係
8. コーディネータとログの関係

コーディネータは、2相コミットの進行状況を「ログファイル(記録)」に保存します。もし障害が発生しても、このログをもとに途中の状態を復元し、再実行や取り消しを行うことができます。

このようにログの仕組みと合わせて使うことで、分散システム全体の信頼性(シンライセイ)を高めることができるのです。

9. 理解ポイント

9. 理解ポイント
9. 理解ポイント

2相コミットは、分散データベースの信頼性を支える重要な技術です。すべてのデータベースが同じ結果を得るために、「確認」と「確定」という2段階で動作します。

単なる理論ではなく、現実のクラウドサービスや大規模な金融システムなど、日常生活の裏側でも使われている技術です。初心者の方は、まず「複数のデータベースをまとめて安全に動かす仕組み」として理解しておくと良いでしょう。

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