ロールフォワードとは?初心者でもわかるデータベース復旧の基本を徹底解説
生徒
「先生、『ロールフォワード』っていう言葉を聞いたんですが、どんな意味なんですか?」
先生
「ロールフォワード(Rollforward:ロールフォワード)とは、データベースの障害から復旧するときに、バックアップデータに加えて、直近の更新履歴を反映させて最新の状態に戻す処理のことです。」
生徒
「つまり、バックアップで戻しただけじゃ古いままだから、更新した部分をもう一度やり直すってことですか?」
先生
「その通りです。ロールフォワードは、ジャーナルやログを利用して、直前までの状態に再現するための大事な仕組みなんですよ。」
1. ロールフォワードとは?
ロールフォワード(読み方はロールフォワード)とは、データベースの復旧方法のひとつで、バックアップから復元したデータに対して、障害発生前までの更新処理を再実行することを指します。
この仕組みは、データの「永続性(デュラビリティ)」を保つために欠かせません。もし突然サーバーが停止したとしても、ロールフォワードを使えば、ジャーナル(Journal:ジャーナル)に記録されている更新内容を再適用して、最新の状態に戻せるのです。
2. ロールフォワードの目的
ロールフォワードの目的は、システム障害や停電などでデータベースが壊れたときに、失われたデータをできるだけ復元し、業務を再開できるようにすることです。
バックアップデータだけでは、保存した時点までしか戻せません。しかし、ロールフォワードを行うことで、その後に行われた取引や更新も再現できます。これにより、障害直前の状態に限りなく近づけることが可能になります。
3. ロールフォワードの仕組み
ロールフォワードは、バックアップデータとジャーナルファイルの両方を利用します。バックアップで基本のデータを復旧した後、ジャーナルに記録されている更新履歴(After Image:アフターイメージ)を順番に適用していきます。
このとき使われるのが、「ライトアヘッドロギング(Write-Ahead Logging:ライトアヘッドロギング)」という仕組みです。これは、データを更新する前に必ずログに記録しておく方式で、障害時にそのログを読み取って再実行することで整合性(セイゴウセイ)を保つことができます。
4. ロールフォワードとロールバックの違い
ロールフォワードとよく混同されるのが「ロールバック(Rollback:ロールバック)」です。どちらも復旧に関係する処理ですが、目的がまったく異なります。
- ロールバック: エラーが起きたときに、処理を取り消して元の状態に戻す。
- ロールフォワード: 障害後に、バックアップと更新記録を使って最新の状態に再現する。
簡単に言えば、ロールバックは「元に戻す」処理、ロールフォワードは「再現する」処理です。どちらもデータベースの安全を守るために欠かせません。
5. ロールフォワードの流れ
実際にロールフォワードが行われる流れは次のようになります。
- バックアップデータを読み込み、障害発生前の基礎データを復旧。
- ジャーナルファイル(ログファイル)を参照して、バックアップ以降の更新履歴を取得。
- 更新内容(After Image)を順番に再実行して、データを最新の状態にする。
この手順によって、障害が起きる直前のデータベースを再構築できるのです。
6. ロールフォワードが必要になる場面
ロールフォワードは、次のような場面で活躍します。
- サーバーやディスクの故障でデータベースが破損したとき。
- 停電やOSクラッシュでシステムが停止したとき。
- バックアップから復旧したあとに、最新状態まで戻したいとき。
特に企業システムでは、毎日多くのデータが更新されるため、バックアップだけでは不十分です。ロールフォワードを組み合わせることで、より正確で信頼性の高い復旧が可能になります。
7. ジャーナルとロールフォワードの関係
ロールフォワードを行うためには、ジャーナル(変更履歴の記録)が不可欠です。ジャーナルには、更新前と更新後のデータが保存されています。
ロールフォワードでは、この中の「更新後のデータ(After Image)」を使用して、障害発生後に再実行を行います。逆に「更新前のデータ(Before Image)」は、ロールバックで利用されます。
このように、ロールフォワードとロールバックはジャーナルを共有しながら、それぞれ異なる目的で使われているのです。
8. ロールフォワードの実例
たとえば、ECサイトの注文データを管理するシステムを考えてみましょう。夜中にサーバー障害が発生し、前日のバックアップを使って復旧したとします。しかし、その後に行われた数時間分の注文情報はバックアップに含まれていません。
ここでロールフォワードを使えば、ジャーナルに残っている更新情報を順番に適用し、障害直前までの注文履歴を復元できます。これにより、顧客の注文データを失うことなく安全に復旧できるのです。
9. ロールフォワードとバックアップの関係
バックアップは「過去の状態を保存する」ための仕組みであり、ロールフォワードは「最新状態まで追いつかせる」ための仕組みです。この2つを組み合わせることで、完全な復旧が実現します。
つまり、バックアップだけでは「古い状態」までしか戻せませんが、ロールフォワードを併用すれば「ほぼ直前の状態」まで戻すことができます。企業や金融システムでは、この仕組みが非常に重要です。
10. ロールフォワードを支えるデータベース技術
ロールフォワードは、さまざまなデータベース製品で採用されています。たとえば、Oracle Database(オラクルデータベース)の「REDOログ」や、PostgreSQL(ポストグレスキューエル)の「WAL(Write-Ahead Logging)」などです。
これらはすべて、障害が発生しても「ログを先に書き出しておく」ことで、あとからロールフォワードを行えるよう設計されています。信頼性を重視するシステムでは、この仕組みが不可欠です。
11. ロールフォワードのまとめ的理解
ロールフォワードは、一見難しそうですが、イメージとしては「バックアップ+再実行」というシンプルな考え方です。障害が起きたあとでも、ジャーナルの記録を再適用することで、最新のデータを安全に再現できます。
データベースの信頼性を保つためには、ロールバックとロールフォワードを組み合わせて使うことが基本です。両方を理解することで、障害時にも安心してシステムを運用できるようになります。