集中処理とは?初心者でもわかるコンピュータ処理方式の基本用語をやさしく解説
生徒
「ネットワークやシステムの話で『集中処理』っていう言葉を聞いたんですけど、それってどういう意味ですか?」
先生
「集中処理は、コンピュータの処理方法の一つで、すべての処理を一か所のコンピュータでまとめて行う仕組みのことです。」
生徒
「なるほど…。でもそれって今の時代でも使われてるんですか?」
先生
「使われ方は少し変わってきましたが、今でも一部のシステムでは集中処理の考え方が活かされていますよ。それじゃあ、くわしく見ていきましょう。」
1. 集中処理とは?
集中処理は、読み方は集中処理(シュウチュウショリ)といい、すべてのデータ処理を1つのコンピュータ(サーバ)でまとめて行う処理方式のことです。
昔の大型コンピュータ(メインフレーム)では、この集中処理が一般的でした。ユーザーは端末(ターミナル)を使って操作を行いますが、実際の処理はすべて中央のコンピュータで行われるという仕組みです。
2. 集中処理の仕組みとイメージ
集中処理では、1台の中心的なコンピュータ(ホスト)に、複数の端末(クライアント)を接続して使います。
この構成を「集中型システム」や「ホスト集中型」などと呼びます。たとえば、大企業の会計システムや銀行のオンラインシステムなどは、以前から1台のホストコンピュータで全体を管理する仕組みが使われてきました。
端末はあくまで操作用の装置で、計算やデータ管理などの処理はすべてホスト側で行います。
3. 集中処理のメリット
集中処理方式には、いくつかのメリットがあります:
- データの一元管理がしやすい:すべての情報が中央にあるため、情報の更新やバックアップが簡単に行える。
- セキュリティ管理が容易:情報漏えいのリスクが減り、セキュリティポリシーを一括で適用できる。
- システムの整合性が保たれる:分散処理に比べて、処理ミスやデータ不一致が起こりにくい。
- 管理者の負担が軽くなる:すべての処理が集中しているため、複数の機器を管理する手間が少ない。
4. 集中処理のデメリット
一方で、集中処理には次のようなデメリットもあります:
- 処理が集中して負荷がかかる:1台のコンピュータで多くの処理を行うため、処理能力に限界がある。
- システムダウン時の影響が大きい:中央のコンピュータが故障すると、すべてのサービスが停止してしまう。
- 通信回線への依存が強い:端末とホスト間の通信が切れると、作業ができなくなる。
- 柔軟性に欠ける:新しい機能の追加やシステム拡張がしにくい。
5. 集中処理と分散処理の違い
集中処理と対になる考え方が、分散処理(ブンサンショリ)です。
分散処理では、複数のコンピュータ(サーバ)や端末に処理を分けて行います。現代のクラウドシステムやインターネットサービスの多くは、この分散処理型です。
| 項目 | 集中処理 | 分散処理 |
|---|---|---|
| 処理の場所 | 中央のホスト | 複数の機器 |
| 障害時の影響 | 全体に影響 | 一部に限定 |
| システムの柔軟性 | 低い | 高い |
| 管理のしやすさ | 一括管理しやすい | 個別管理が必要 |
6. 集中処理の代表的な利用例
集中処理方式は、以下のような分野で使われてきました:
- 銀行システム:中央の大型コンピュータで口座情報や取引を一括管理
- 企業の基幹システム:販売管理・在庫管理・財務会計などを一元化
- 航空会社の予約システム:全世界の情報を1か所で集中処理
- 自治体の住民情報システム:住民の基本情報や税金の管理などを一括処理
これらの分野では、情報の正確さや一貫性が求められるため、集中処理が適しているとされています。
7. 現代における集中処理の位置づけ
現在ではクラウドや分散処理が主流ですが、集中処理の考え方は今でも活かされています。
たとえば、大規模なシステムではクラウドのデータセンター自体が集中処理のような役割を果たしています。
また、セキュリティやガバナンス(管理統制)の観点から、業務システムをあえて中央管理する企業も少なくありません。