CPUの分岐予測をやさしく解説!初心者でもわかるパイプライン高速化の仕組み
生徒
「CPUの分岐予測ということばを見かけたんですが、どんなしくみなのか気になっています。パイプライン処理と関係があるんでしょうか?」
先生
「ありますよ。CPU(シーピーユー)が高速に命令を処理するためには、次にどんな命令が実行されるかを正しく先読みする必要があります。その先読みの仕組みが分岐予測です。」
生徒
「先読みということは、まだ結果がわからないタイミングで判断しているってことですか?外れたらどうなるんでしょう?」
先生
「外れた場合は処理のやり直しが必要になるため遅くなります。でも、分岐予測のしくみを工夫することで外れる回数を減らし、CPUの高速化が実現されています。くわしく見ていきましょう。」
1. 分岐予測とは?読み方と基本の考え方
分岐予測の読み方はブンキヨソクといいます。これはCPU(シーピーユー)がプログラムの実行中に出てくる分岐命令の結果を先回りして予測する技術です。分岐命令とは、「条件が成立すれば特定の処理に進み、成立しなければ別の場所に進む」という命令のことで、プログラムでは頻繁に出てきます。
分岐命令の結果がわからないと、CPUは次に実行する命令を正確に選べません。するとパイプライン処理が一時停止し、処理速度が落ちてしまいます。そこでCPUが「たぶん次はこの命令だろう」と予測して先に読み込み、スムーズに処理できるようにする仕組みが分岐予測です。
2. どうして分岐予測が必要なのか?CPU高速化のポイント
現代のCPUはパイプライン処理を行い、複数の命令を同時に進めることで高速化しています。しかし、分岐命令があると命令の流れが変わるため、次に何を処理すべきか判断できず、パイプラインの流れが止まる「分岐ハザード」と呼ばれる現象が発生します。
分岐予測が正確であれば、分岐ハザードを避け、パイプラインを止めることなく命令を連続して処理できます。つまり分岐予測はCPUの高速化に欠かせない技術であり、スマートフォンやパソコンの反応速度にも大きく影響しています。
3. 分岐予測の代表的な種類をわかりやすく紹介
分岐予測にはさまざまな方式がありますが、初心者でも理解しやすい代表的な方式を紹介します。
・常に分岐する/しないと決めつける方式
・直前の結果にもとづく単純な履歴方式
・過去の実行パターンから傾向を学ぶ方式
とくに履歴方式はよく使われる予測方法です。CPUが過去の分岐命令の結果を記録しておき、そのパターンに合わせて次の分岐を予測します。人が「前も同じ動きをしたから今回もそうだろう」と考えるのと似た仕組みです。
4. 分岐予測が外れるとどうなる?処理のやり直し
分岐予測はとても賢い仕組みですが、予測が外れることもあります。外れると、CPUはすでに読み込んでいた命令を破棄し、正しい流れに戻すために処理をやり直します。この処理をフラッシュと呼ぶことがあります。
予測が外れた場合、パイプラインの流れが一時的に止まってしまうため、全体の処理速度が落ちます。そのため、CPUにとっては「いかに予測を外さないか」が非常に重要で、分岐予測の精度を上げる研究がさかんに行われています。
5. 分岐予測の歴史とCPU進化との深い関係
分岐予測技術は、CPUがまだ単純な構造だった時代には必要とされていませんでした。しかし、マイクロプロセッサの高速化が進み、パイプライン処理が一般的になると、分岐命令による停滞が大きな問題として現れはじめました。
その後、分岐予測はCPU性能を大きく左右する技術として発展し、現在では複雑なアルゴリズムを利用した高度な分岐予測が搭載されています。現代のパソコンやスマートフォンが快適に動作する背景には、この分岐予測の進化があります。表には出ませんが、CPU内部ではたくさんの命令を効率よく処理するために予測技術が働き続けています。