トークンパッシング方式とは?初心者でもわかる通信制御の仕組みとメリットを解説
生徒
「先生、ネットワークのトークンパッシング方式って何ですか?」
先生
「トークンパッシング方式(Token Passing ホウシキ)は、ネットワーク内で通信の順番を守るための仕組みなんですよ。」
生徒
「順番って、通信って自由にできるんじゃないんですか?」
先生
「自由にすると、みんなが同時に話し始めて通信がぶつかってしまいます。だから“トークン”という合図を順番に回すことで、ぶつからないように通信できるんです。」
1. トークンパッシング方式の読み方と意味
トークンパッシング方式は、読み方はトークンパッシングホウシキといいます。英語では「Token Passing」と表記します。
これは、LAN(ラン)などのネットワーク通信で使われる通信制御方式のひとつで、通信の権利を示す「トークン」という特別なデータをネットワーク上で順番に回すことで、通信の衝突(コリジョン)を防ぎます。
2. トークンとは?
トークンとは、「通信していいですよ」という合図を持った小さなデータのことです。
ネットワーク上の機器は、トークンを受け取ったときだけ通信できます。通信が終わると、次の機器にトークンを渡します。
これにより、ネットワーク内で同時に通信が始まるのを防ぐことができます。
3. トークンパッシング方式の仕組み
トークンパッシング方式では、ネットワークに接続された全ての機器がリング状や論理的な順序でつながれており、トークンが一定の順番で回されます。
通信したい機器がトークンを受け取ったら、そのタイミングでデータを送信します。通信が終わると、再びトークンを次の機器へ渡します。
トークンが常に巡回していることで、通信の順序が守られ、衝突のない安定した通信が可能になります。
4. トークンパッシング方式の特徴とメリット
- 衝突が起きない:同時通信がないため、通信の衝突が発生しません。
- 公平性がある:すべての機器に順番が回るため、誰かが独占することはありません。
- 安定した通信:特にトラフィックの多いネットワークでも安定して動作します。
5. トークンパッシング方式のデメリット
- 障害に弱い:トークンが失われたり、トークンを持った機器が故障すると通信が止まる可能性があります。
- 遅延が発生する:自分にトークンが回ってくるまで待たないと通信できません。
- 構成が複雑:リング構成など特定の構成を必要とする場合があり、設計や保守が難しくなることがあります。
6. トークンパッシング方式と他の通信方式との違い
他の通信制御方式には、CSMA/CD方式(シーエスエムエー・シーディー ホウシキ)という仕組みもあります。
これは、送信前に通信回線が空いているかを確認し、空いていれば通信するという方式ですが、場合によっては通信がぶつかる可能性があります。
一方、トークンパッシング方式では、そもそもぶつかることがないように順番で通信します。
7. トークンパッシング方式の実際の利用例
トークンパッシング方式は、以前はトークンリング(Token Ring)というネットワークで使われていました。
また、FA(ファクトリーオートメーション)や製造業などの制御システムで、安定した通信が求められる環境でも活用されることがあります。
現在では、より高速で柔軟なネットワーク構成が可能なイーサネット(Ethernet)が主流になっていますが、トークンパッシング方式の「公平で衝突しない通信」という考え方は、今でもネットワーク設計の基本的な知識として重要です。